2019年12月12日で創業5周年を迎えたPR Table。人が年を重ねるとともに考え方や性格を変えていくように、PR Tableの性格も“大人”へとアップデートしていこうという考えをもとに、取締役・菅原弘暁がさまざまな方との対談を通し「多様性」を学んでいくという目的でスタートした本企画。

最終回では、NPO法人soarの代表をつとめる工藤瑞穂さんをゲストにお招きしました。障害や病気、貧困や格差など、様々な困難に出会った人たちのストーリーに光を当てて発信するメディア「soar」の編集長でもある工藤さんは、みずからの組織を”人間開発のためのラボ”と表現し、メンバーの抱える困難に対してさまざま制度でサポートしています。メディア運営を通してさまざまな多様性に触れてきた工藤さんが、組織における多様性をどのようにとらえているのか。メンバーと関係構築をする上で大切にしていることとあわせ、オンラインでお話を伺いました。


Profile

工藤 瑞穂 Mizuho Kudo
1984年青森県生まれ。宮城教育大学卒。仙台の日本赤十字社で勤務中、東日本大震災を経験。震災後、仙台で音楽・ダンス・アートと社会課題についての学びの場を融合したチャリティーイベントや、お寺、神社など街にある資源を生かしたフェスティバルを地域住民とともにつくる。2015年12月より、社会的マイノリティの人々の可能性を広げる活動に焦点を当てたメディア「soar」をオープン。2017年1月に「NPO法人soar」を設立。イベント開催、リサーチプロジェクトなど様々なアプローチで、全ての人が自分の持つ可能性を発揮して生きていける未来づくりを目指している。

菅原弘暁 Hiroaki Sugahara
1988年生まれ、神奈川県出身。2011〜2015年、大手総合PR会社(株)オズマピーアール、内1年間は博報堂PR戦略局に在籍し、外資スポーツメーカーから官公庁、リスクコミュニケーションまで、幅広い広報業務を担当。その後、国内最大級共創プラットフォームを運営する会社でPR・ブランディングに従事し、2015年9月より(株)PR Tableに参画。採用やPR、広報などのセミナー・カンファレンスに多数登壇する。


いつか誰かが直面する「困難」のセーフティネットでありたい

菅原弘暁(以下、菅原):この連載もとうとう最終回となりました。いろいろな方を訪ね、知見を分けていただきながら多様性について学ぶうちに、ひとつ気づいたことがありまして。恥ずかしながら生まれてこのかた、自分をマイノリティだと感じたことがどうやらあまりないらしいんです。工藤さんとは以前から交流があり、soarの活動も立ち上げ当初から応援させていただいていますが、もしかすると僕はこのメディアのことが、本当の意味では理解できていないんじゃないか、と思って。「soarの記事によって救われた」という読者の方がここまで多く存在するということ自体が、僕にとってはすごく新鮮に感じられるんですよね。

工藤瑞穂さん(以下、工藤):そうだったんですね。もしかすると菅原さんの中には、ある種の「線引き」があるのかもしれませんね。soarでは、病気や障害など、人に生きづらさを感じさせるさまざまな要因を「困難」と表現しているんですが、困難のある人に対して、無意識の線引きがされていると感じることがときどきあるんです。「マイノリティ」って表現すると、あたかも生まれ持った特殊な人格のように感じられるかもしれないけれど、「困難」ってあくまで“事象”だと思うんです。そして当然その事象は、誰の身にも降りかかる可能性がある。

菅原:うん、そうですね。

工藤:私は最近がんで父を亡くしたんですが、ある日突然「がん患者の家族」という立場に立たされて、苦しい思いをしました。そんな風に想定外の困難にぶつかったとき、人は知識や知恵を必要とします。soarが行なっている活動は、今はまだ使う機会はないけれど、いつか必要となったときに使える資源を貯めていくことなんですね。もしかすると、今は菅原さんにとって自分ごとではないかもしれないけれど、いつか何らかの困難にぶつかった時に、soarが受け止められるようなセーフティネットになりたいんですよ。

菅原:なるほど、とても素敵なスタンスです。ちなみにsoarの読者の方って、どうやって記事にたどり着くことが多いのですか?

工藤:2割がSNS、8割は検索です。人には言いたくない悩みがあって、それを検索してsoarにたどり着くという方も多い。私自身にも、何かに悩んだときに「かわいそうな人だと思われたくない」「普通じゃないと思われたくない」という気持ちが生まれるときがあるんですが、同じように感じる方もいるはずで。検索ワードを見ていると、今を生きる人たちの苦しい胸の内が反映されていると気づかされるんです。

菅原:「普通じゃない」、か。そもそもこの世の中に、本当に「普通の人」なんているんですかね。「自分は普通じゃないのではないか?」と思い悩んでsoarを訪れたら、似たような困難を抱えている人がいたとして。その瞬間に、「普通じゃない」と思っていたことが「普通」になればいいですね。

法人格を大切に育てることで、メンバーから愛される組織になる

菅原:ところでsoarという組織では、工藤さん自身の過去の経験を活かして制度をつくられたそうですね。

工藤:そうなんです。実は前職時代、組織からすごく浮いてしまった時期があって……。同僚と話が合わなくて孤立してしまい、ある時上司が「困っていることがあるんじゃない?」と聞いてきたんですね。でも当時の私は、「気の毒だからなんとかしてやろう」なんて思われたくなかった。突然距離を縮めてきた相手に困難を打ち明けることなんてしたくないし、できなかったんです。その時の経験をベースに、一人ひとりのメンバーがきちんと弱さを口に出すことができて、周囲も同情したり引いたりせずに受け入れられるような制度をつくりたいと考えました。強さや得意なことで繋がるのはもちろん大事だけど、まずは弱さや不安を共有できる環境づくりを目指したんです。

菅原:なるほど。具体的にどんな制度があるんですか?

工藤:slackに「チェックインチャンネル」をつくって、毎朝心と体の状態を伝えてもらったり、週20時間以上コミットしているメンバーに対しては、福利厚生として、カウンセリングを定期的に受けられるようにしたりしています。また産業医もいて、もし調子を崩したメンバーがいたとしたら、診療結果は医師と組織、本人で共有し合い、回復のためにどうアプローチすればいいのか相談したりもします。

他にも、自分の得意なことや苦手なこと、特性を認識して仕事や普段の暮らしに活かせるようなワークショップを定期的に開催するなど、内省や対話の機会を多くつくっています。

また、「当事者研究」という自身の困りごとについて、周囲の仲間たちと語り合うなかで、よりよい付き合い方を探していく手法を取り入れ、一人の悩みごとをみんなで分かち合う習慣もあります。

こちらがアプローチしなくてもメンバーたちが自走してくれれば、それが組織としては負担がないのかもしれないけれど、soarには、できるだけメンバーに寄り添いながら一緒に走っていくスタイルが合っているんです。

菅原:確かにとてもsoarらしいスタイルですよね。PR Tableの場合、組織を大きくしていく分岐において、運用でカバーするのではなく採用時点でのスクリーニングという方向に舵を切りました。そもそも事業内容や「パブリックリレーションズ」という言葉の響きが優しいので、どうしてもミスマッチが起こってしまいがちだったんですよね。

そこで、あえて「無理を要求されたとしても楽しんで挑めるようなタイプ」それ以外の人を寄せ付けないように決めたんです。当時のフェーズにおけるPR Tableが幸せにできない人を採用しないために、いくつかの意思決定を行いました。具体的には、会社のCI(コーポレートアイデンティティ)も黒を基調にしたり、僕自身もあえて親しみやすいパーカーから革ジャンに着替えたり、SNS上での発言の語気を強めにしたりなど、「ちょっと怖いかも」と思われてもいいという風に方針を変えました。

工藤:期待値の齟齬が起きないように、「私たちはこういうスタンスですよ」と示すのはすごく潔いですよね。

菅原:とはいえ、そんな簡単なことでもなくて……。結局人の印象って”相対”じゃないですか。屈強なメンバーだけを集めたところで、僕と一緒に仕事をしてみたら屈強ではなくなってしまうかもしれない。そんな状況が起こり得るということも踏まえつつ、どうすれば働きやすい環境をつくれるかということに関してはいまだに課題ではありますね。個人的には、メンバー間でもっと弱さを共有し合えたらいいんじゃないかと考えています。弱さを見せることも、僕は強さの一つだと考えている。

工藤:菅原さんはSNSでも、たまに自身の内面について発信されていますよね。一見菅原さんって“隙のなさそうな人”に見えるので、弱い部分を伝えてくれるのってすごくいいな、と私も思います。スタートアップの場合、メンバーがリーダーの人間性に引っ張られるところが大なり小なりありますから、PR Tableのみなさんも菅原さんに影響を受けている部分があるのかな、と想像しています。

ただsoarの場合、そこまで強く私の人格が影響を与えているという感じはなくて……。工藤瑞穂が、というより、soarが好きで集まってくれているメンバーがほとんどなんですね。今コロナウイルス関連でsoarの経営にも影響が出ているのですが、「soarちゃんを守るために頑張りたい」と言ってくれるメンバーも多くて、すごく嬉しくて。

菅原:「soarちゃん」?

工藤:soarのアイコンが鳥の姿に似ているので、みんなで「soarちゃん」と呼んで愛でているんです。代表の私が何かを発信することも大事だけれど、soarを一つの人格と捉えてメンバーに大事にしてもらえるのはとても嬉しいことなんだなと、しみじみ実感しています。PR Tableも法人格を大事にされていますよね?

菅原:うちには「PR Tableくん」という法人格があります。ただ、soarちゃんのように”守ってあげたい存在”ではないかもしれません。おそらく、「PR Tableくんはコロナ禍において、どんな強いメッセージを発信してくれるんだろう?」みたいに期待している人が多いんじゃないかな。そう思うと、ちょっとsoarちゃんが羨ましいです。メンバーには、もうちょっと親心をもって法人格と接してほしいな、と思いました。

多様性を知ることは、自分とは違う世界があると知ること

工藤:お話を聞いていて、soarの産業医の先生が「チャレンジ精神や成長への意欲を多く持っていることと、体質的にどれだけ刺激に耐えられるかは別問題」と仰っていたことを思い出しました。たとえば新規事業をつくるのがその人にとってやりたいことで、楽しめているとしても、新しいことをやるという“刺激”が重なると、それに耐えられなくなる繊細な人もいます。その人がどのくらい繊細でどのくらいの刺激の量が適切か、リーダーがしっかり考えながら見ていてあげるのは大切だと思うんです。

菅原:刺激強めが好きだとしても、やっぱり個体差はありますからね。僕がよくやってしまうのが、「鳴かぬなら、鳴かせてみようホトトギス」と思って軽くデコピンしたつもりが、力が強すぎて吹っ飛ばしてしまうという……。自分自身が強度をコントロールしないといけないと日々感じています。

工藤:そうですよね。「その人は何を面白がれるのか」をしっかり観察することも大事だと私は思っていて。soarという組織では、これまでに触れたことのない他者の困りごとや弱さに向き合ったときに、「やっかいなこと」とネガティブに捉えるのではなく、そこに可能性を見出して「人って面白いな」とポジティブに捉えることができるかどうかをとても重視しているんです。なぜなら、それが「soar」というメディアづくりの姿勢にも関わってくるからです。目の前にいるメンバーが悩んでいるということは、何万人もの人が同じように悩んでいるはずだと想像して、視野を広げながらその悩みと向き合い可能性を探すこと。その悩みに応えられるような事業をつくること。言うなればsoarという組織は人間開発のためのラボで、メンバーはそこでいろいろなことを学びながら事業に役立てているんです。

菅原:なるほど。工藤さんのおっしゃった「面白がれる」というのは、相手の多様性に対して「興味を持てる」という意味でもありますよね。soarにとっては確かに必要不可欠な資質だと感じます。そしてその前に、多様性を「知る」という段階があるじゃないですか。そこに対して、できるだけハードルを下げる必要があると僕はつねづね考えているんです。知るということは、別に詳しくなることではなくて、「自分とは違った考え方や生き方をする人が存在すること」を自覚する、というくらいで構わない。キャリアに置き換えると、所属するコミュニティの中での価値観が絶対正義になってしまい、別の正義を受け入れられなくなるのはとても危険です。どんなコミュニティにも、一人の人間の中にさえも多様性が存在するということを、誰もが自覚しておくべきだと思いますね。

工藤:よくわかります。「多様性」というのは、一人ひとりが自分らしくいることの結果のように思います。「オーセンティック・リーダーシップ」という言葉があって、これは自分らしいリーダーシップのことなんです。副代表のモリジュンヤは、その文脈で自分らしさを「オーセンティシティ」と表現することが多いですね。本来は「真実である」「本物である」などの意味をもつ言葉ですが、「自分がより自分らしくいる」という意味で捉えると、soarが目指す「自分の可能性を活かして生きることができる未来」というメディアコンセプトにも近いんです。

人の痛みの“大小”を判断することの難しさ

菅原:soarの記事を読んでいると、困難の種類は違えども、まさに「自分の可能性を活かしながら」前を向いて進もうとする方たちのパワーに驚かされますね。

工藤:そうですよね。私はsoarの活動を通していろいろな方と出会い、話を聞いているうちに、その方の物語はその方固有のものであるにも関わらず、気がつくと私自身の物語を重ねていることがあるんです。そしてそのたびに、「ああ、あの時の自分は本当はこう接してもらいたかったんだな」と過去を振り返るんですよ。

菅原:たしかに多様性を知れば知るほど、過去に遡っていろいろなことに気づかされることが増えていきますよね。

工藤:どんどん自分の考え方が変わっていきます。そうそう、最近soarのメンバーたちで、「赦す(ゆるす)」って実は重要なキーワードだよね、と話す機会があって。例えば、過去に苦しめられた困難が、本当は病気の症状の一種でサポートを受けるべきものだったんだと知ることで、何もしてあげられなかった当時の自分を赦すことができる。そして他者のことも、同じように赦すことができるようになる。私、実はひとつ後悔していることがあるんです。昔soarのメンバーに、「失恋してとても落ち込んでいるので、明日仕事を休んでもいいですか?」と相談されたことがあるんですよ。

菅原:なんて答えたんですか?

工藤:すごく悩みましたね。そのときは自分が社会人として働いてきた固定観念から、「失恋したからという理由で休むのはやっぱり良くないのではないか」と思って、出勤してほしいと伝えたんです。でも今の私だったら、プライベートで起こったショックな出来事や、それが及ぼす感情の揺れは、仕事においても絶対に誤魔化すことはできないということが理解できます。身内が亡くなることも恋人とお別れすることも、精神的なショックの度合いは人によってそれぞれだから、どちらのほうが辛いとは決して他者には判断ができない。

菅原:そうですね。もし今の工藤さんが同じ相談を受けたら、なんて答えますか?

工藤:今だったら、「自分で自分の感情を見つめて休むと決断したことは偉い。とりあえず休んで、また状況を報告してね」と答えますね。

弱さを共有するための鍵は、個人と組織の関係づくり

菅原:なるほどなー。状況は違いますが、メンバーの困難や多様性をどこまで受け入れるかという点で、当時の工藤さんと似たような葛藤を最近感じたんですよ。今当社では完全リモートを導入しているんですが、生産性も上がるし、いい意味で人と会うハードルが上がるという意味で僕も推奨しているんです。リモートワークって「多様性を尊重している」というイメージもありますしね。ただ、よかれと思って導入した制度でも、メンバーに困難を感じさせてしまうケースがあると知りました。人によっては、出社した方が自分のことに集中できるという場合もあるんですよね。でも、「それなら家に仕事部屋をつくれば?」なんて無責任なことは僕には言えない。

工藤:そうですね。家庭の事情も経済状況もそれぞれですし。

菅原:で、そういうメンバーがいるにも関わらず、「うちだって子どもがいて大変だけど、なんとかリモートで頑張ってるんですよ!」みたいな発言が頻発するのもあまり良くない。それこそ、自己責任論になってしまいますから。ただでさえ他人には共有しづらい困難を、ますます言いづらくなってしまう。そうなってくると、会社としても個人の幸せになかなか寄り添いづらいよな、それって会社としてどうなんだろうなって。

工藤:soarがメンバーの困難に伴走する組織だとして、PR Tableが必ずしもそうするべきだとは思いません。私たちは「どうすれば人がより生きやすくなれるのか」を考えつづけている組織なので、人の弱さを尊重していくことは不可欠だと思います。ただ、組織の達成したいビジョンに合わせて、どういう組織をつくるかは自由なのかなと。それでも、メンバーが人として尊重され、自分らしく働けるという「基本的な人権」が守られていることは必要ではないでしょうか。

菅原:そうかもしれません。組織として必要なことは、弱さに寄り添う制度を絶対に取り入れるということではなく、多様な組織のあり方を知って、その中で「自分たちらしさ」を受容することなのかもしれないですよね。soarには制度や資源として、弱さや困難を受容するためのセーフティネットが準備されている。PR Tableをはじめとする多くの企業には、どんな形でそれを準備できるのか想像力を働かせることが求められるはずです。「多様性を受け入れよう」と口にするのは簡単ですが、多様性の受け入れを強要することは、多様性を尊重することからもっとも離れていくことになりますから。

工藤:それぞれの弱さを受け入れるためには、組織が柔軟性を持つと同時に、メンバー自身のアプローチも大切です。あくまで日々の関係づくりがあるからこそ、弱さを語ったりありのままの自分でいることができる関係性が生まれると思うんです。なので、もちろん組織が環境づくりの努力を続けることは大切ですが、一人ひとり「自分の弱さを受け入れてくれない他者がいけないんだ」と考えるのではなく、相手に自分を理解してもらいたい、自分も相手を理解していきたいという気持ちで対話をつづけていく。これは社内の関係構築に関わらず、私たちが社会生活を送る上でとても忘れてはいけないことだと思います。

菅原:同感ですね。そして、これからのパブリックリレーションズを考える上で、とても重要なテーマだと思います。現在みんなが認識している「PR」って、“企業・団体視点”での社会との関係構築を指すんですが、これからは、“個人視点”での社会との関係構築がより必要になってくると考えています。工藤さんのお話を聞いて、生きづらさを感じている個人が、「自分をどのように表現し、周囲から理解を得ていけば生きやすくなるのか」という個人視点での関係構築スキルを身につけることが、社会生活を営む上でとても必要なことだと改めて気づかされました。

多様性を受け入れることは、トリセツの交換から始まる

「多様性を受け入れるとはどういうことか?」この問いを追い求めるうちに、自分らしくナチュラルに生きることが、もしかすると多様性を排除する行動に繋がっているのではないか?という疑問を抱くようになりました。というのも、多様性を受け入れるためにはアカデミックな知識が必要であり、何らかのアクションを起こす主体性が求められるのではないかと感じたからです。

しかしこの対談を構成し続けるうちに、そんな風に思い悩む私自身の中にも多様性は存在し、生きづらさから逃れることはできないのだということに気づきました。では、生きづらさを解決するためにはどうすればいいのか? そう考えたとき、自分の持つ多様性を相手に押しつける行為では決してないと思い至ったのです。

大事なのは、まず“自己開示”をすること。それは工藤さんいわく「必ずしも弱さをさらけ出す行為ではなく、自分の“トリセツ”を相手に知ってもらうこと」。私とあなたの違うところを知り、それを認識し合うことこそが多様性を受け入れることに繋がっていく。もしかすると必要なのは、とてもシンプルな「私発信の」リレーションシップなのかもしれません。(編集部)

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