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スタートアップ広報が新規上場するときに気をつけておきたいこと

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志賀祥子

志賀祥子

PR Table Labo所長/PRコンサルタント。大手金融機関を経て、大手上場企業にて社長秘書と広報を兼任。2011年ベンチャー企業へ入社、新規顧客の開拓からPR企画に携わる。その後、スタートアップから上場ベンチャー企業の広報部門の立ち上げや広報コンサルティング業務を担当。2016年8月よりPR Tableへ参画し、個人の活動としてPRとしてスタートアップ企業を中心に広報コンサルティングにも携わる。
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今回の記事は、SPEEDAやNewsPicksを提供する株式会社ユーザベースの広報マネージャーの山田聖裕さんの投稿記事をUZABASE Tech Blogより転載しております。

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◼︎山田聖裕さんプロフィール
1982年生まれ、福岡出身。株式会社はてなにてカスタマーサポート、広報・マーケティング、ニュース編集長などを担当。2015年に株式会社ユーザベースに入社。

こんにちは、ユーザベースで広報とIRを担当している山田です。2016年10月21日、株式会社ユーザベースは東京証券取引所マザーズに上場しました。

上場できたのもこれまで支えていただいた皆さまのおかげです……といった形式ばったことは最小限に留めておいて、上場にあたって広報ノウハウがあまり公開されていなくて本気で困ったので、Tech Blogの場を借りて、今後増えてくると思われる上場準備中の企業の広報担当者さんたち向けに「スタートアップが新規上場(IPO)する際に広報として気をつけておきたいこと」をまとめたいと思います。

なおユーザベースのバックオフィスチームには公認会計士の資格を持つメンバーが、ファームを作れるぐらいの人数いるという幸運もあったため、本記事では財務や会計的な側面には触れません。

上場前

上場前にできることはそれほどありません。上場承認後に必要になる作業を想像して、それへの情報収集と対策を粛々と進めていきます。

ユーザベースの場合は以下の作業に主にリソースを割きました。

・目論見書カラーページの制作
・IRページの制作
・上場当日セレモニーの演出
・上場後最初となる決算説明会の準備

特に目論見書とIRページについては、上場承認後に投資家との接点になる最重要ポイントです。「私たちが何者であるか」を知っていただいて、会社の何を評価して、株式を保有してほしいかというメッセージが伝わるものにしなければなりません。

会社によって何を知ってほしいかという軸は異なりますが、私たちが伝えたいメッセージは「経済情報で、世界をかえる」というミッションです。このミッションとコーポレートカラーである赤、そして大事にしている「7つのルール」を前面に推し出すことにしました。

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「何を知ってほしいか」は会社によってそれぞれだと思うので、経営陣も交えてしっかり議論した上で、方針を決めるのが良いと思います。

上場承認〜上場当日

上場承認が下りたら、いよいよ上場に向けたスパートのはじまりです。顧客、社員、投資家など様々なステークホルダーに適切に情報を届ける必要があります。

まず承認を受けたら、公式情報としてすぐにプレスリリースを出します。ネット上での最速情報としてTDnetのPDFがありますが、テキストベースのフォーマットで自社の情報を発信した方がシェアされやすいと思います。

上場当日ももちろんプレスリリースを出した方が良いです。上場当日はセレモニー等の準備でばたばたしていますが、場が開く9時より前には公開できていると良いと思います。

また同日に、コーポレートサイトのIRページも公開します。(上場日前には公開してはいけません。)

だいたいのコンテンツは有報などから自動で取得されますが、「株主の皆さまへ」といったコンテンツは自社で用意する必要があります。投資家・株主の方々は事業内容や業績のほかに、社長や従業員のキャラクターも重要視されるので、肩肘張ったものではなくて「らしさ」が出るものが良いと思います。ユーザベースの場合は創業メンバー3人からの『3つの約束』として公開しています。

株主・投資家の皆様へ 3つの約束
1.「経済情報で、世界をかえる」このビジョンの達成に向けて忠実に行動します。
2.良い時も悪い時も、正直に話します。
3.有言実行を積み重ねる事で、信頼を獲得していきます。

株主・投資家の皆様へ株主・投資家の皆様に対して3つの約束を宣言いたします。

「社員の顔が見えることが重要」というのは、プロピッカーでもあるレオス・キャピタルワークス 藤野英人さんの記事を参考にしました。この分析については自分の感覚とも合致していてすごく納得感がありました。現在進めているコーポレートサイトリニューアルでも、もっと社員の人となりが見えるものにしていく予定です。

ちなみに承認発表日は想定以上のトラフィックが来たため、一時的にサイトにアクセスいただけない状態が発生してしまいました。大変嬉しい悲鳴ではありますが、同時にとても恥ずかしいことでもあるので、サイトがダウンする可能性は最大限排除しておきましょう。

上場後

上場後はより広報的な技量が求められます。上場に伴って増えるメディアや投資家からの面談依頼、兜倶楽部とのお付き合い、適時開示を含めた投資家とのコミュニケーション等々……。

変わらずにあるのは「どうコミュニケーションすれば自社のファンになってくれるのか」という視点です。ユーザベースは少し変わったかたちのIRとして、NewsPicksを使った個人投資家向けIR活動を開始しています。

上場というのは会社が変化する極めて大事なタイミングですが、これを活かして「より強い会社をつくる」きっかけにできると良いなと、上場を経て感じました。この記事がこれから上場される皆さまの参考になれば幸いです。

※本記事はこちらからの転載となります。

LP

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