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何から始める?危機管理広報。プロに聞いてきました!<前編>

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ヤマダヤスヒロ

ヤマダヤスヒロ

PR Planner/Story Designer。 PR会社、ブランドコンサルティング会社、広告代理店、デザイン会社を渡り歩く、ハイブリッド型のPR流浪人。現在は、ブランドづくりとコミュニケーションに悩めるジョブパーソンを助けるべく、日々奔走しています。
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こんにちは~。PR流浪人のヤマダです〜。

早速ですが、みなさんは「危機管理広報」と聞いて、何をイメージされるでしょうか?!
多くの人が、謝罪記者会見とか、事故対応をイメージされるかと思います。

今回は、「何から始める?危機管理」と題して、危機管理のプロフェッショナルに危機管理広報のイロハを聞いてきました。

お話を聞かせていただいたのは、危機管理広報に強みを持つ広報コンサルティング会社の(株)エイレックスで、チーフトレーナーを務める平野日出木さんです。(株)エイレックスは、2009年PRアワードでも受賞(キャンペーン部門:事故米の風評被害を受けた食品会社のレピュテーション回復のための危機管理広報)経験がある会社なんです。

では、早速、危機管理広報について、勉強をしていきましょう!

-さて、早速ですが、危機管理広報を始めたいと思っているPRパーソンは多いと思います。危機管理広報を始める時には、まずは何から着手していくべきでしょうか?

まず、「危機」という言葉の定義を確認させてください。「危機」という日本語は、英語では「リスク」と「クライシス」の二つに分かれます。

「リスク」とは、日常的に「これが起きたら、会社が大変なことになるだろう」という要素のことです。したがって「リスクマネジメント」とは、危機が起きる前に、これらの要素を洗い出し、優先順位をつけて、管理していく作業を指します。一方、「クライシス」とは、「リスク」が顕在化してしまった状態、つまり「大変なことが起こってしまった」状態です。

したがって「クライシスマネジメント」とは、起きてしまった危機的な事態(有事)をいかに早急に収拾するかの作業を指します。このクライシスマネジメントの柱のひとつが、会社の評判を落とさないようにステークホルダーやメディアにしっかり状況を説明する「クライシスコミュニケーション」です。エイレックスへの依頼が多いのは、この部分になります。有事発生後に事業を続けていくための道筋をあらかじめ立てておくBCP(事業継続計画)は、リスクからクライシスにまたがる危機管理策になります。

危機管理広報を始めようという方は、まずは自社の広報上の「リスク」を洗い出し、それが実際に起こったときどう広報すべかを整理する作業から着手するのが良いと思います。例えば、モノを製造する会社はしばしば、「品質第一」「安全第一」と謳っていますが、品質に問題が生じた場合、安全性に疑義が生じた場合に、どう世の中に説明していくか、想像してみてください。

-少し突っ込んだ質問で恐縮なのですが、具体的にはどうやって「リスク」を洗い出し、整理すれば良いですか?

「こんなことが起こったら大変だ」と思われる要素を、ブレストなどで思いつく限りピックアップしてください。そしてピックアップされた要素を「マップ化」します。

マップ化する際の軸は「起こりやすさ(頻度・確率の高低)」と「影響の大小」の2軸が良いでしょう。

「起こりやすさ」については関連部署からのヒアリングで、「影響の大小」については、過去の事例や社会の潮流を見ながら広報視点で整理していきましょう。マップ化することで、自社を取り巻くリスクが「見える化」され、することができます。

-危機管理広報に取組む際にしばしば見落とされがちなことって、どこなんでしょうか?

広報部門だけで取り組んでも空回りしてしまいます。技術部門や法務部門を含め、会社全体で危機発生時への対応方法を確認することが大事です。たとえば製品不具合が発生した、技術的な瑕疵はまだ見つからない、しかし被害者は存在する…。こういった状況下で、技術的な瑕疵の有無や法的責任の有無に重きを置き過ぎると、広報対応が遅れてしまいます。会社として問われるのは、法的責任ばかりではなく、説明責任も、社会的責任もありますから、その観点からの広報の重要性を会社全体で共有しておかなければなりません。危機対応マニュアルを作成する際にも、全社を巻き込んで作成したほうが、広報単体で作成するものより、会社全体での見解や動きと整合性がとれるため“危機時に使えるマニュアル”になります。

-では、平野さんが記者時代や現職で関わってきた中で、危機に強い会社の共通点ってどんなことでしょうか?

「風通しが良い会社」というのは重要だと思います。つまり、「悪いニュース、耳の痛い話でもトップにしっかりと届く会社」でしょうか。会社外の視点、たとえば「そんな対応をしたら、消費者や地域からはこのようにネガティブ反応が返ってきてしまいますよ」という社外の視点がトップに届くだけで、広報対応を誤る確率はぐっと減ります。会社の論理や業界の論理を伝えてしまって危機管理広報に失敗する会社があとを絶ちません。生活者視点や被害者感情に気づいていれば決して発せられなかったであろう失言は数多くあります。

今回はここまで! いかがでしたか? 危機管理広報と一言で言っても奥が深いのです! 後編では危機発生時の広報について、引き続き、平野さんのお話を紹介していきます。

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