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多くのPRパーソンが頭を抱える「はじめての採用広報」←メルカリ石黒卓弥さんに聞いてみました

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菅原弘暁

菅原弘暁

PR Table 取締役/編集長。大手PR会社を経て、共創プラットフォームを運営する会社でさまざまな業務に従事ながらPR・ブランディングを兼務。現在も多くのベンチャー・スタートアップ企業のPR活動を支援している。
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すべての企業、特にベンチャー・スタートアップにとって「会社の未来を担う社員」を採用できるかがいかに重要なことか、それはいまさらするまでもない話。

これからまさに成長を目指そうという企業にとって、優秀な人材は必要不可欠です。「採用広報のためにPR活動をしている」という企業もあるくらいで、PR Tableもそのようなご相談を多数いただいています。

しかし、「たくさん応募が来たけど一人ひとりと会う時間がなかなか取れない」「本当に自社に共感してくれてる人材に出会える確率が低い」「せっかく採用できたのに企業文化に合わず、すぐ辞めてしまった」など採用の課題は山積み。単純に「採用広報をすればいい」という簡単な話ではありません。

そんな時、我々PRパーソンは一体何をするべきなのでしょうか? 積極的な「採用広報」を行っている人事担当であり、PR Tableのユーザーでもある株式会社メルカリの石黒卓弥さんにお話しを聞いてきました。

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◼︎石黒卓弥さん プロフィール
株式会社メルカリ HRグループ。前職NTTドコモでは営業、人事、放送事業会社の立ち上げ、その後に新規事業企画を担当。2015年より現職。メルカリでは採用を中心とした人事企画を担当。現在3児の父であり三男出生時には2ヶ月の育休を取得。

※メルカリさんのPR Table活用例はコチラをご参照ください。

メルカリは、採用広報も「Go Bold」!

−石黒さんは、HRグループとしてどんな役割を任せられているのでしょうか?

大きく3つです。➀「価値ある優秀なメンバーを集めてくること」➁「メンバーが思いっきり働ける環境を作ること」➂「思いっきりやったことに対して適正に評価すること」。私の場合は、特に➀に力を注いでいて、日々の業務のほとんどは採用活動。そのうちの60~70%は「採用広報」の業務ですね。

−そんなに!具体的にはどのような「採用広報」の活動をされているのですか?

まず基本的な考え方として、社員紹介や、(興味を持ち、探し出す、その上で自ら応募する)自社採用ホームページからの応募が比率として高くなることが理想だと考えています。それは「メルカリへの共感」を大切にしていること、また採用担当の工数の面も意識していますね。私たちは、採用活動で一般的とされる有料での媒体出稿はやっておりません。メディアでのパブリシティもそうですが、LinkedinWantedlyなどの自社がダイレクトでメッセージを伝えられる場を活用して露出を増やすことはとても重要だと考えています。

また、一例ですが最近メルカリの世界観を伝えるために、Instagramをはじめました。フォロワーが多くいるわけでもなく、今日・明日すぐに結果が見えるものではありません。しかし候補者が「自分事化」できるコンテンツを露出させていくことは確実に意味があって、「それを見てきました」という人も実際に多くなって来ています。

−新しいツールを活用される際に、どんな基準で選んでいるんですか?mercari_ishiguro_2

「みんながやったらいいよね!(=まだやってないよね)」と思うことにとにかく取り組んでいます。本質的に良いものであれば、積極的に使う時間を増やし、そのことを広報することで「この会社って先進的だよね」「うちも真似したいよね」と、活用していることだけでも広報活動につながることがあります。

メルカリが大事にしているコアな価値基準で「Go Bold – 大胆にやろう」というものがあるんですが、まさにそれを実践することを意識していますね。

“働く環境”の魅力を伝えるには、どんなコンテンツが必要?

−メルカリさんは、ミートアップイベントをたくさん行っていますよね。それも採用広報の一環なのでしょうか?

広い意味ではそうですが、「採用」というよりまさに「広報」や「コミュニティ」を作るために取り組んでいます。イベントは「Drink Meetup with Mercari」として社内メンバーも巻き込んで行っています。メルカリはお陰様で、プロダクトの認知度は高くなってきています。でも“働く環境”としての魅力は、まだまだ伝えていかなきゃいけないんです。そのために、ミートアップイベントのようなメルカリの社内カルチャーを知ってもらう場を設けています。

−実は、その“働く環境”の魅力を伝えられず、困っているPRパーソンが多いんです。例えば特別な社内制度がないと、メディアには取り上げられづらいとか…。

かといって「風通しが良い」とか普通のワードは取り上げられ難いんですよね(笑)だから僕らの場合は、Wantedlyなど掲載しておけば長く読まれる場所に投稿しています。あくまでPV依存ではなく、「検索や自然流入の形で読まれたらいいな」くらいの感覚。そういう意味では「キャッチーなワード」であることより、「手数(=量)」を増やすことが採用広報では大切だと思います。

−“働く環境”の魅力を伝えるためには、どのようなコンテンツを用意すればよいでしょうか?

一つは、社員インタビューですよね。ヒトに対して魅力を感じてもらえたり、誰が面接に対応するのかが見えるようになるのも好評です。他にも面接で聞かれるような基本的な質問への答え(FAQ)を用意しておくとよいです。人から聞かれることは先回りしてアップしておけば、事前に見てもらえるので面接を高いレベルからスタートすることができますしね。

−採用広報のためにはブランディングも大切だと思います。そういった視点では、どのようなコンテンツ作りを意識されていますか?

メルカリでいうと「大人のベンチャー」と言っていただけることが多いのですが、それだと若い人が集まりにくくなってしまいますよね。なので若いエンジニアのインタビューを増やしたりして「若い人でもチャレンジでき、十分に活躍できる環境である」ということを伝えています。

“自分たちが伝えたいこと”をコンテンツ化して、発信量を増やしていくことでブランディングにもつながります。「ストーリー」として語ることも重要です。例えば、機能のリリースだけのような内容でも、ストーリーで語れば携わった人本来の魅力や人間性を伝えることができますよね。

もし石黒さんが、創業直後のスタートアップの採用広報をするなら…

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−PRパーソンは一体どんな動きをすれば、人事の活動を助けられるのでしょうか?

もちろんメディア露出の量が多いに越したことはないのですが、単に「絶賛募集中」ではなくて、「どんな人材を?」「なんで欲しいの?」を伝える活動を一緒にやってくれたらとても助かります。

インナーコミュニケーションという意味では、社内報を例に挙げると“社内報のための社内報”よりも、社外の人も見ることができる“社内コンテンツ”として発信していくことを考えると、人事とPRパーソンがうまく連携できるイメージがわきますね。

−その中で「PR Table」をツールとしてご活用いただけることになった理由は、どのようなところに魅力を感じてもらえたのでしょうか?

プレスリリースに加えて、自分たちのタイミングで、伝えたいメッセージや情報を発信できるという点が、PR Tableのようなツールを使う大きなメリットのひとつですね。それに、長く読まれるコンテンツを自社でストックしていけるのもありがたいですね。

−PRパーソンもいないような創業間もないスタートアップにいたら、どんなことから採用広報をはじめますか?

まずは個人として信頼してもらう努力を続けますね。もちろん今でもそうなのですが、創業間もないような規模が大きくない会社では特に、小さな積み重ねが大切になると考えています。個人に興味を持ってもらうことで、会社にも興味を持ってもらうような、ポジティブなサイクルを作っていきたいと思います。

当社でもやっていることですが、Instagram・Wantedly・LinkedIn、それにPR Tableにしても、色々なツールを試してみて、いいと思ったなら「ずっと使い続ける」ことが大切です。特に出始めのツールであれば、使用感のフィードバックを聞いてもらえるので、主体的に活用しやすくなる可能性が高いです。私たち人事も、PRパーソンと一緒で情報にアンテナを張り、手数を打ち続けることが大切な動きになると思って活動を続けています。

−大変勉強になりました。石黒さん、どうもありがとうございました!

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PR担当者と人事担当者の活動領域は、実はコンテンツ作りという意味で連携できる部分が多いのではないかと思われます。特に、ベンチャー・スタートアップ企業は、PRと人事を兼任にすることが多く、ともに経営と密接な重要な役割です。ぜひ石黒さんのアドバイスを参考に、採用広報のためのコンテンツ作りにチャレンジしてみてください。

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