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社内外にファンをつくる「広報の広報」ーーレバレジーズ・吉田ハルカさん

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高橋ちさ

高橋ちさ

神奈川県出身。ラジオ局お手伝い⇒広告代理店(横浜駅スタジオDJ)を経て、現在は都内PR会社でIT企業、コンサル会社など、BtoB企業の広報を全力でバックアップ中。セミナー勉強会、飲み会の企画立てるの大好き。何かあればご相談下さい。
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最近、広報をされている方の中で、「インターナル・コミュニケーション」をどう活性化させていけばいいのか? 情報が広報に集まりにくくて、他部門との連携がうまくいかない。

というような課題を耳にします。今回は、ご自身でも「広報LT大会# PRLT」を開催したり、ライター業を行うなど、次世代のPRパーソンとして活躍中のレバレジーズ広報の吉田ハルカさんにインタビューしてきました。

広報チームを本格的に立ち上げて1年足らずで、瞬く間に社内の信頼を高め、結果を出している彼女の取り組みや人柄に感銘と強いパワーをたくさん頂いたので、ぜひ皆さんにもおすそ分けできたらと思います。

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■レバレジーズ株式会社について(http://leverages.jp/
システム開発の受託業務で2005年に創業。「関係者全員の幸福の追求」を経営理念に掲げ、今や平均年齢26歳ながら年商195億円(2017年3月期)、社員620名(2017年4月時点)、国内外に13拠点を持つミドルベンチャー企業に成長しています。事業創造のプロフェッショナルとして業界トップのエンジニア専門エージェント「レバテック」をはじめ、IT・医療・介護など幅広い分野で事業を展開。新規事業への積極投資と、広告製作から運用まですべてのマーケティング活動を内製化するインハウスマーケティングを武器に「時代を動かす企業」を目指します。

独自の社内制度を活用することで、情報収集も社内調整も円滑に

ーー広報にとっての課題として、インターナル・コミュニケーションをどうやって活性化させていくかというのがあります。社内のコミュニケーションがうまくいかないと、欲しい情報も集まってこないだけでなく、取材調整や原稿確認にも大きな悪影響がありますよね。レバレジーズではどのように取り組んでいるのでしょうか?

レバレジーズには創業当時から続けている「グッド&ニュー」という取り組みがあります。2週間に1度今回はこのチームですと連絡が総務きます。そこで決まった4~5名のチームで、毎朝10分間最近良かったことや新しく発見したことなど自由に話すんです。

最近行った美味しいお店の話でも、仕事のことでもなんでも話せるので、入社して間もない人や一緒に仕事をしたことがない人とも仲良くなります。

ーー意外と他部署の方や同じ部署でもプライベートはまったく知らないって人は多いですよね。「グッド&ニュー」は、広報的にもプラスに働いていると感じますか?

仕事以外の話から仲良くなると社内の情報も収集しやすいです。話しているうちに事業部でのエピソードが聞けますし、チームの中で誰が何をやっているのか把握しやすくなります。

もうひとつの取り組みとして、事業横断制度「LCP(Leverages Crossdepertmental Program)」があります。リクナビネクスト主催の「グッド・アクション2016」でグッド・アクション賞を受賞しました。

この取り組みも、情報収集がしにくいとか、取材調整が上手くいかない、、、といった広報課題がある方にはオススメです。

ーー「交換留学」と「社内勉強会」の2つがあるんですよね。具体的にどういったことをするんですか?

ひとつは「事業部間交換留学」といって、社員が誰でも他事業部の日常業務に最低1時間参加できる制度です。自分達の抱える課題や問題のヒントを、他事業部のノウハウを持ち帰り、活かしていこうという取り組みです。

1年を通じていつでも希望を出せるんですが、2・5・8・11月が強化月間で、事業部ごとに交換留学させる目標人数を掲げて実施します。

この制度の面白いところは、先輩後輩、事業部間関係なく、希望が出せるというところだと思います。私の普段の活動をみて、広報に興味をもったという人もいて、素直に嬉しかったです。

ーーお互いの仕事に興味を持つことで事業部間の垣根を越えた活動がしやすくなりますね。特に広報部門は他部門から「何をしている部署かよく分からない」と言われることも多いので、社内の人間に理解してもらうために苦労しているという話をよく聞きます。

広報を理解してもらうために「社内勉強会」も活用しました。これは、多くの社員が抱える共通課題の解決やノウハウの共有を目的としていて、各事業部にいるトップや一般社員でも手を挙げた人が講義形式で行う勉強会です。

ーー広報の勉強をしてもらうということでしょうか?

「広報の広報」を行うというイメージ? に近いですね。入社してすぐに執行役員である上司と広報の重要性やノウハウなどを社内の人たちに共有しました。それを聞いて広報に興味をもち、さらに詳しく知りたいと思ってくれた人が「交換留学」をつかって広報を体験しにくる……。ということもありましたね。

わずか1年で、みんなが自部門の情報発信を積極的に行えるようになったワケ

ーー広報活動は目に見える成果として、「メディア露出」や「いいね数」といった結果に偏りがちですよね。全体の活動を理解してもらうのは、なかなか大変だと実感しています。そのような中で、広報として大切にしている点はなんですか?

広報活動とは目に見える結果だけじゃないということを啓蒙していくことが大切なんだと思います。その時は反響の少なかったプレスリリースや記事でも、ある日突然問い合わせが来て次に繋がる、なんてこともありますよね。そういう日々の積み重ねが数年後の会社像・サービス像をつくっていきます。

そんなことを言い続けてたらちょうど先日ある部署の広報ミーティングで「あの時のリリースがきっかけで今度○○会社と一緒にイベントすることになったから、もっとプレスリリース出したい!」と言われ、思わずニヤけました(笑)。

ーー啓蒙活動は重要な広報の仕事だと感じますが、レバレジーズに広報部門ができたのは吉田さんが入られてからだと聞きました。まだ1年しか経っていない中で、情報を集めて発信して、社内でも広報の役割を知ってもらうという作業は大変ではなかったですか?

実は社内のネタ集めや情報収集に関しては、まったく困ってないんです。Slackで流すと「僕が担当するお客さんでこういう事例ありますよー」とか、「こんなネタありますよー」って、ばーっと集まってくるので、本当に困らない。

クライアントやユーザーの取材交渉もすべて担当者がスムーズにやってくれるので、彼らのお客様との関係性やスピーディーな仕事っぷりに日々助けられています。広報の役割についても、社内勉強会や交換留学を活用して理解を深めてもらえていると実感することも多くて、とてもありがたい環境です。

でも、入社当初はメディア取材を受けたことがあまりない状況だったので、プレスリリースの書き方や取材の受け方などが十分に理解されていない状態でした。広報が立ち上がってからLCPを活用して、ニュースはこうやって出来るんですよ。とか、広報ってこういうことなんですよって社内に伝えることで、少しずつ浸透してきたと感じます。

ーーLCPという社内制度によるものが大きいということでしょうか。
 
結局はお互いに歩み寄ることが大切なんだと思います。ランチでもミーティングでもいいので、相互理解する機会を作れるといいですよね。エンジニア向けの広報活動を始めたときは社内外の技術勉強会に参加していろんなエンジニアと話してみたり、先輩にカリキュラムを作ってもらって毎週プログラミングの時間を設けたりもしました。最初はちんぷんかんぷんでしたけど(笑)。

社外のエンジニアから広報のこと知りたいと飲みに誘ってもらうこともありました。ただ、会社のフェーズや規模によっては、誰に声をかければ課題が解決するのか、そもそも誰にどんな情報を取りにいけばいいのか分からない場合が出てきます。その点では、弊社のように社内制度に落とし込むと調整しやすいです。

ーー過去の活動を経て、いまはとても良い形で循環しているように感じますが、課題に感じていることなどありますか?

効果測定法の見直しと脱属人化です。前者については、情報発信数や独自に作ったパブリシティスコアで情報発信における量や質を定量化して事業部や年度別で比較できるようにしましたが、どれだけ拡散されていったか、どんな反響があったかといった「情報の伝播度」まで測定しきれていません。

さきほど”目に見える結果が全てじゃない”と言ったものの、ある程度社内での広報価値は見える化しておく必要はもちろんあります。外部ツールなどを複合的に活用して腑に落ちる効果測定ができるようにしたいと思っています。

脱属人化は広報あるあるですよね。弊社では正社員600名以上いる中で社外広報は私ひとりなんです。事業も多岐にわたっていますし、グループ会社や拠点も増えているので今のうちに土台をしっかり作らないとなと思っています。

いろんな事業部のプレスリリースやイベント企画・運営、メディア向けの広報企画立案に追われすぎてログを残してこなかったツケが回ってきました(笑)。仲間を増やし、その子たちが正当に評価されるようにするためにも、日頃何をどうやってどういう成果に繋がったかを明示して、社内の広報価値を向上させていきたいです。

広報の新しいやり方が広報業界を変えていく、そのためのアウトプットが重要

ーー吉田さんは他社広報とのつながりも広げていらっしゃいますね。最近の若手広報の皆さんはとても積極的でアクティブな印象を受けます。

常に広報活動の幅をどうやって広げていこうか考えています。サービスによって抱えている課題はさまざまなので、それぞれに最適な手法を考えると、SNSで発信したり、ブログで情報を出したり、イベントをやったりといろんなアプローチが見えてきます。結局は自分で動くことが大切なんです。

それで、いろいろ活動していく中でたくさんの方にお会いしますが、同い年くらいの人が一番バイタリティがある気がします。同世代だから刺激を受けやすいのかもしれませんが。

ーーたしかに、ベンチャーやスタートアップといった若い企業の広報はみんな元気がよくて横のつながりも強いですよね。

とはいえ、お互いに頭を絞って良い企画を作ろうと思いながら協力し合える広報もいれば、ただ言われるままにしか動けない人もいます。

それってとてももったいないことで、うまくいっても自分のノウハウにはならないんですよね。失敗できないと考えすぎる場合もありますが、ちょっと失敗したくらいじゃ会社は潰れない。それより、失敗したことが自分の知識になり力になると感じます。

情報収集はうまいけど、実際に行動に移すのは難しいと感じる広報も多いと思います。もっと自分たちのナレッジをアプトプットしていこうという考えのもと作ったのが広報LT大会です。

広報にはアウトプット力が足りない気がする:広報LT大会をやってみて

自社サービスの広報活動を通じて知ったエンジニアのシェア文化に感化されて立ち上げました。知識や知見、経験を共有することで広報業界の底上げにもなりますし、アウトプットすることって実は最も自分のためにもなるんです。

一人でも役に立ったと思ってくれる人がいてくれるなら、やる価値はあると想いますし、発信するとそれ以上に情報が入ってきてインプットも増えていきます。

メディア掲載やイベントのお知らせをするだけじゃなくて、プレスリリースを書くだけじゃなくて、その裏側で何を考えどう動いたか、そもそも何のために広報が存在するのか。そういうことをみんなで発信し合っていけば広報プレゼンスも高まっていく。そう感じています。

(終)

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