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結果を出すPRパーソンの“仕事の流儀” 「全員広報」の会社をつくる! ビズリーチ 田澤玲子さん<前編>

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大手PR会社、マーケティングPRを得意とする外資のPR会社を経て、現在は事業会社で広報をしているPRパーソン。
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こんにちは。チワワです。

前回、元ぐるなびの栗田さんに登場いただいた「結果を出すPRパーソンの“仕事の流儀”」シリーズ!第2回は、株式会社ビズリーチの田澤玲子さんにご登場いただきます。

田澤さんは、PR会社、フリーランスなど様々な立場から広報に関わってき経験をお持ちですが、今回は現在所属されているビズリーチのお話を中心に伺いました。「攻める広報」をスタイルに持つ田澤さんが結果を出し続けられるのはなぜか、広報パーソンに役立つ視点を探ってきましたよ!

田澤玲子さん プロフィール
2000年に大学卒業後、外資系広告代理店のPR部門に入社し、外資系企業を中心に担当。2005年、世界最大の婚活サイト「マッチ・ドットコム」(本社:米国)日本上陸の際のマーケティングマネジャーとして、日本のメディアにネット婚活を広め、日本に婚活ブームの先駆けをつくる。
事業会社を経て、2009年よりインターネット事業を運営する株式会社ビズリーチに入社し、広報マネージャーを務め、管理職・グローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」や20代のためのレコメンド型転職サイト「careertrek(キャリアトレック)」ソーシャル暗記帳アプリ「zuknow(ズノウ)」などを担当。2010年から2013年まで、ビズリーチから分社化してセレクト・アウトレット型ECサイト「LUXA(ルクサ)」を運営する株式会社ルクサの広報担当を兼任。

広報は舞台のプロデューサー、トレンドに乗ったストーリーを描いて、妄想力で舞台を具体化する

-田澤さんの広報のスタイルは、まさに「攻める広報」という感じですよね。

はい。私はいつも初めてお会いする方に「私は攻める広報です」と自己紹介しています。

-ビズリーチの「攻める広報」で一番成功したなと思うのは、やはり「ピンクスリップパーティ」ですか?

そうですね。「ピンクスリップパーティ」というのは、リストラをされてしまった金融プロフェッショナルとヘッドハンターがウォール街のバーでお酒を片手に出会う転職パーティなんですが、それを2009年4月ビズリーチのオープンに合わせて日本で行いました。知名度ない、お金もない、人もいない、ないないづくしで始まったサービスでしたが、記者が60人超、テレビも6~7台来てくださり、多くのメディアに取り上げていただくことができました。 ※写真は実際のイベントの様子

イベントの様子

-すごい成果ですね。その「ピンクスリップパーティ」というアイデアには、どうやってたどり着いたんですか?

私は、広報の仕事は舞台のプロデューサーのようだと考えています。メディアやその先の視聴者・読者という観客に対し、どういう役者、ストーリーで、どういう舞台をお見せしていくか。そのときに大切なのが「トレンド」です。サーフィンと同じで、いい波に乗ればずっと遠くに行けますが、波がないところにいてもどこにも行けません。

ビズリーチ立ち上げの約半年前の2008年10月にリーマンショックがありました。企画を考えていたときに、今のトレンドはなんだろうと、リーマンショック後のアメリカについて調べている中で、アメリカのサイトで「ピンクスリップパーティ」を見つけたのです。その瞬間、「あ、これだ!」って思ったんですよね。ハイクラス人材の会員制の転職サイトという「ビズリーチ」の世界観にとても近いですし、これを日本に持ってきたら「日本初」と言える、と。

-そして、そのアイデアをどう具体化していったんですか?

具体化するときは、逆算することが大切です。最初に妄想するのです。このパーティは六本木ヒルズの1階のバーで実施したのですが、リーマンブラザーズがあった六本木ヒルズでやれば、例えば、テレビがビルの上の方をなめるように撮りながら1階に下りてきて、ビズリーチのロゴが入った大きなポスターを撮って、そのまま中に入っていくと150人の人がいて…、そして、ナレーションが「今まで送別会ばかりだった六本木ヒルズのバーで今日は新たな出会いが始まります」と言いそう!と、社内で盛り上がりまして(笑)。テレビだけでなく、この新聞、この雑誌のこのコーナーにこんな見出しで取り上げられる、という理想形を鮮明にイメージできるほど成功します。逆に、そこがもやもやしていると失敗しますね。

-それで、ヒルズでやることにしたんですね。

はい、六本木ヒルズでやることを決めて、それからバーにお願いに行きました。PRにかけられる予算がなかったので、会場はお客様が少ない時間帯を無料で貸していただき、参加者からはワンドリンク制で参加費をいただきました。

広報は1人では何もできない、だからこそ、広報に協力的な「全員広報」の会社をつくる

-最初の大きな成功は、社員の皆さんにはどのように受け止められたんですか?

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多くのメディアに取り上げていただき、その結果利用者様も増えました。みんなで広報をやればこんな効果があるんだと実感し、「広報は会社の中でもトッププライオリティだ」と全員が感じてくれました。私は、ビズリーチは日本一広報に協力的な会社だと思っていて、それが自慢です。

-素晴らしいですね。それをゼロから作ってきた田澤さんがすごいと思います。

いきなり大きな成功体験をしようとすると足がすくんでしまうこともあるので、最初は小さくてもいいのです。小さくても成果を出し、それを数人の仲間と共有し、一緒に大きくしていきましょう、と徐々に協力者を増やしていけばいいのではと。広報は1人で何もできないので、私は「頼る」「巻き込む」を大切にしています。舞台には役者や脚本が必要で、そのためには社員の協力が必要です。

-社員を巻き込むコツは?

人にお願いに行く、協力を仰ぐことは、ともすると躊躇してしまうことかもしれませんが、恥ずかしいと感じる自分は横に置いておいて、勇気を出して想いを持って頼みに行きます。あえて空気を読まずに想いを持って語る。逆算して描いたストーリーを共有し、「これが実現したらこんなに素晴らしい意味がありますよね?だから手伝ってください!」と。最初は「あ、また来た。ちょっと面倒そうだな」という顔をされることもありますが(笑)、想いとやる意味がきちんと伝わると皆手伝ってくれます。

-脚本づくりから社員の方に協力してもらうこともあるんですか?

さきほどトレンドの話をしましたが、トレンドをキャッチアップするのも1人では限界があります。ですので、私は「何か気になることがあったらURLを付けてメールするだけでいいからぜひ教えてください」と仲間にお願いしているんです。その中から企画になったものもありますよ。

-例えば、どんなものですか?

2011年8月に、「社長公募」サービス(経営者や経営幹部人材を外部から登用したい企業を対象にした「社長・経営幹部登用サービス」)を開始したのですが、この企画は、ある上場企業さんが日経新聞で社長公募の広告を出しているという情報を社員が教えてくれたことがきっかけでした。

-「全員広報」素晴らしいですね。「ピンクスリップパーティ」から5年以上経ち、その成功体験を共有していない社員さんも増えてきていると思います。「広報に協力的な会社づくり」で工夫されていることはありますか?

最近は毎月10名から15名の新しい仲間が入ってきています。そこで、中途社員の入社時研修で広報について説明する時間を1時間いただいています。広報でしてきたこと、大切にしていることをお話し、私たちが広報を大切にしていることを新しい仲間にも理解してもらうようにしています。

後編はこちら

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